平成19年度前期 共通教育授業科目


<講義題目>

宗教学B(仏教学入門)

<キーワード>
密教美術 マンダラ イコノグラフィー 宇宙論

<授業の主題>

 インドや日本をはじめとするアジア各地に残された美術作品から仏教を知り、人間の文化的所産としての宗教を、幅広い視野から考察する。

<授業の目標>

 インドや日本をはじめとするアジア各地に残された美術作品から仏教を知り、人間の文化的所産としての宗教を、幅広い視野から考察する。絵画や彫刻を「読み解く」ことで、作品が成立した背景、思想的基盤、伝承の過程における変容、文化史的意義などを考察する。

<学生の学習目標>

 宗教を通して異文化を理解する方法を身につける。アジアの宗教はかならずしも現代の日本人にとって身近のものではないが、その多様性を知るとともに、われわれの文化との意外なつながりについても多くの知見を得ることをめざす。

<授業の概要>

 仏教美術を理解するためには仏教についての知識が必要であるが、逆に仏教美術から仏教とはいかなる宗教であるかを知ることができる。この授業では、仏教美術を生みだした人々の考え方、イメージに託された意味、作品のもつ機能などから、仏教および仏教美術についての理解を深める。それらを通して、日本を含むアジアの文化的基盤のひとつとして仏教をとらえたい。仏教美術を介したインドと日本の文化的なつながりについても詳しく紹介する。さらに、宗教とは何か、人間とは何かといった普遍的な問題も取り上げる。仏教や美術に関する基礎的な知識は必要とはしない。異文化に対して旺盛な好奇心を持つ受講生を歓迎する。授業ではスライドを用いて、できるだけ多くの作品を紹介する。

<評価の方法>

 出席(30%)、学期中の2回の小レポート(30%)、学期末の試験(40%)

<授業の予定と各回のテーマ>

第1回 4月12日 オリエンテーションと受講受付
第2回 4月26日 序論(1) インド密教美術への招待 Q&A
第3回 5月10日 序論(2)インドの仏教美術の流れ Q&A
第4回 5月17日 源流としてのインド(1) パーラ朝の密教美術 Q&A
第5回 5月24日 源流としてのインド(2) 日本密教の源流? Q&A
第6回 5月31日 多様化する仏たち(1) パンテオンの構造 Q&A
第7回 6月7日 多様化する仏たち(2) 画一化するイメージ
Q&A
第8回 6月14日 仏塔という宇宙(1) 仏教の世界観
Q&A
第9回 6月21日 仏塔という宇宙(2) 再生する世界
Q&A
第10回 6月28日 天界の模式図マンダラ(1) マンダラとは何か
Q&A
第11回 7月5日 天界の模式図マンダラ(2) マンダラと儀礼
Q&A
第12回 7月12日 仏教の仏と異教の神(1)イメージの連鎖
Q&A
第13回 7月19日 仏教の仏と異教の神(2)周辺から支える神々
Q&A
第14回 7月26日 試験 
「終わりにあたって」全Q&A(PDF)


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