平成16年度後期 仏教学特殊講義

<講義題目>

浄土教美術の形成と展開

<講義の目的および内容>


 浄土教が生み出したさまざまな造型作品について、その成立、伝播、変容、他の仏教美術との関係などについて考察する。
 大乗仏教の一大潮流である浄土教は、インドから中央アジア、中国、日本へと伝えられ、それぞれの地域で多様な文化を生み出した。とくに、日本では平安時代後期の末法思想や、いわゆる鎌倉新仏教を経て、日本仏教の主要な一角を占め、現在に至っている。その歴史の中で生み出された彫刻や絵画などの造型作品は膨大な量に及ぶ。
 この講義では、浄土教美術の背景となる浄土教の思想的基盤、関係諸経典の内容、阿弥陀信仰や浄土信仰の種々相などを明らかにした上で、インドから日本に至る浄土教美術を概観する。そこには阿弥陀像、来迎図、極楽浄土図、地獄絵、浄土曼荼羅図、高僧図、二河白道図などさまざまな主題や形式がある。これらを順次取り上げて、主要な作品の解説、作品の背景、思想や文化的な意義などを紹介する。さらに、日本においては浄土教美術に先行する密教美術にもふれ、両者の関係についても考察する。


<授業の予定と各回のテーマ>

第1回 10月4日 イントロダクション 授業の概要、予定、諸注意
第2回 10月18日 浄土教美術の諸相 レジメ Q&A
第3回 10月25日 浄土教の成立と主要経典の内容 レジメ Q&A
第4回 11月8日 インドにおける浄土教美術の起源 レジメ Q&A
第5回 11月15日 中央アジアにおける浄土教美術の展開 レジメ Q&A
第6回 11月22日 日本における浄土教の歴史 レジメ Q&A
第7回 11月29日 日本における浄土教の歴史(続) Q&A
第8回 12月6日 阿弥陀と阿弥陀三尊像 レジメ Q&A
第9回 12月13日 浄土変相図と当麻曼荼羅 レジメ Q&A
第10回 12月20日 聖衆来迎図 レジメ Q&A
第11回 1月17日 山越阿弥陀と臨終行儀 レジメ Q&A
第12回 1月24日 六道絵と二河白道図 レジメ Q&A
第13回 1月30日 平等院鳳凰堂と浄土教の建築 まとめ  レジメ Q&A