代表的な密教の仏である大日如来と不動明王を取り上げて、仏教学や図像学、民俗学などのさまざまな分野からのアプローチを行う。大日如来(毘盧遮那如来)はインドや日本をはじめ、チベットやネパール、インドネシアなどのアジア各地で信奉された。しかし、その形態や信仰のあり方は、一様ではない。一方の不動明王は、日本密教においてとくに重要な地位が与えられる。日本各地に豊富な作例が残され、さまざまな儀礼や信仰と結びついた。また観音や地蔵などとならんで人々を救済する重要な仏であった。大日如来と不動明王という二つの仏をとおして、仏教における信仰と造型の関係や、仏教文化の伝播と受容などについて考察したい。
<授業の内容>
第1回 イントロダクション:なぜ大日と不動か
第2回 不動明王の起源とインドにおける不動信仰 Q&A
第3回 日本への不動の伝来と初期の図像 Q&A
第4回 日本における不動図像の展開 Q&A
第5回 異形の不動 Q&A
第6回 不動明王の眷属たち Q&A
第7回 五大明王・八大明王・十忿怒 Q&A
第8回 不動と儀礼:後七日御修法 Q&A
第9回 不動と儀礼:護摩 Q&A
第10回 不動と儀礼:修験道 Q&A
第11回 大日如来の起源と展開 Q&A
第12回 アジア各地の大日如来 Q&A
第13回 日本における大日如来像 Q&A