第8回 絵巻を見るよろこび
地獄とか病気とか餓鬼とか



絵巻物

日本の絵画の一大領域
絵巻の種類(物語絵巻、説話絵巻、合戦絵巻、経典絵巻、縁起絵巻、高僧絵巻)
表現の特徴
時間と空間

餓鬼草紙(がきぞうし、がきそうし)

『正法念処経』(しょうぼうねんじょきょう)「餓鬼品」
『盂蘭盆経』(うらぼんきょう)の目連救母説話
『救抜焔口餓鬼陀羅尼経』(ぐばつえんくがきだらにきょう)
「たべること」への執着
隣り合わせのグロテスクと滑稽

地獄草紙(じごくぞうし)

グロテスク絵画の典型
『起世経』(きせきょう)「地獄品」 『正法念処経』「地獄品」
『仏名経』中の「報達菩薩問報恩沙門経」
因果応報=論理的な責め苦

病草紙(やまいのそうし)

典拠不明
客観的な視点と人間観察
性的なモチーフ・陰部への関心
病気・奇形を通じた身体観


文献
小松茂美編 1987 『日本の絵巻 7 餓鬼草紙 地獄草紙 病草紙 九相詩絵巻』中央公論社。
五味文彦 1993 「絵巻の視線  時間・信仰・供養」『思想』829: 4-27。
『大絵巻展』京都国立博物館 2006.
『美麗 院政期の絵画』奈良国立博物館 2007.


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