第4回 インドから中央アジアへ

阿弥陀像

マトゥラーの脚部残存像とその銘文
ガンダーラ三尊像(現在は否定的)

大乗変相図

モハマッド・ナリー出土の浮彫
フーシェによる「舎衛城の神変」説
舎衛城神変の説話と作品
阿弥陀浄土図としての解釈
帝釈窟説法からの転用

トヨク石窟の浄土図

正面壁の浄土を示す7×7の格子
禅観をする僧侶
須摩提女因縁譚
双神変に似た禅定僧
白骨観・不浄観

観経変の原型

前十三観の浄土観想図
題記と観経
未生怨因縁の欠如

敦煌莫高窟

唐代における変相図の流行
三期への分類(形成期、完成期、固定期)
観経変の三つの要素:序分義、前十三観、三輩往生
当麻曼荼羅との関係


文献

インド関係
杉本卓洲 1999 「マトゥラーにおける仏像崇拝の展開(その3)」『金沢大学文学部論集 行動科学・哲学編』19: 83-118。
*マトゥラー出土の阿弥陀立像についての詳細な考察。
宮治 昭 2000 「大乗仏教の美術:その源流を探る」『大法輪』H.12, 7月号、pp. 122-129。
*一般向け。ただし、阿弥陀像については次の論文で訂正。
宮治 昭 2002 「「舎衛城の神変」と大乗仏教美術の起源:研究史と展望」『美学美術史研究論集』20: 1-27。
*インドの阿弥陀像と大神変図についての最新の研究成果。これまでの研究の問題点も整理。

中央アジア関係
秋山光和 1967 「敦煌画阿弥陀浄土図」『美術研究』252: 32-37。
大西磨希子 2003 「敦煌莫高窟の西方浄土変に描かれた『観無量寿経』モティーフ」『南都佛教』83: 62-95。
大西磨希子 2004 「初唐期の西方浄土変と『感無量寿経』:敦煌莫高窟の作例をてがかりに」『佛教芸術』273: 9-32。
大西磨希子 2005 「綴織当麻曼荼羅考:図様解釈および制作地と制作年代について」『仏教芸術』280: 13-39.
尾崎直人 1983 「敦煌莫高窟の弥勒浄土変相」『密教図像』3: 30-48。
勝木言一郎 1992 「敦煌莫高窟第二二〇窟阿弥陀浄土変相図考」『仏教芸術』202: 67-92。
勝木言一郎 1994 「中国における阿弥陀三尊五十菩薩図の図像について  臥龍山千仏巌の作例紹介とその意義」『仏教芸術』214: 61-73。
河原由雄 1968 「敦煌浄土変相の成立と展開」『仏教芸術』68: 85-107。
河原由雄 1974 「西域・中国の浄土教絵画」『浄土教美術の展開』(仏教美術研究上野記念財団助成研究会報告書第一冊)仏教美術研究上野記念財団助成研究会。
河原由雄 1982 「当麻曼陀羅下縁部九品来迎図像の形成」『密教図像』1。
河原由雄 1988 「変相図の源流」『図説日本の仏教 第3巻 浄土教』新潮社、pp. 113-120。
河原由雄 1989 『浄土図』(日本の美術 272)至文堂。
中村興二 1980 「わが国の浄土変相と敦煌」『中国石窟 敦煌3』pp. 229-240。
干潟龍祥 1955 「阿弥陀経の焔肩仏について」『山口博士還暦記念 印度学仏教学論叢』法蔵館、pp. 124-135。
宮治 昭 1995a, 1995b, 1996 「トゥルファン・トヨク石窟の禅観窟壁画について:浄土図・浄土観想図・不浄観想図(上)」『仏教芸術』221: 15-41、同(中)223: 15-36、同(下)226: 38-83。
*中央アジアに発見された最古の観経の壁画を詳細に紹介。
宮治 昭 1999 「瞑想・観想とガンダーラ・中央アジアの仏教美術:観経変の成立前史」『國文学』44(8): 100-105。
*上記論文の内容を簡潔にする。
宮治 昭 1999 『仏教美術のイコノロジー:インドから日本まで』吉川弘文館。
*トヨク石窟についてまとめた章を含む。
宮治 昭 2002 「観経変の成立をめぐって:トヨク小窟・小南海石窟・敦煌初唐窟」『日本仏教学会年報』67: 203-218。


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