浄土教美術参考文献

全体
大串純夫 1983 『来迎芸術』法蔵館。
*この分野の古典的業績。著者の夭折が惜しまれる。
京都国立博物館 1975 『浄土教美術』平凡社。
濱島正士編 1988 『図説日本の仏教三 浄土教』新潮社。
仏教美術研究上野記念財団助成研究会 1974 『浄土教美術の展開』(仏教美術研究上野記念財団助成研究会報告書第一冊)仏教美術研究上野記念財団助成研究会。
村山修一 1966 『浄土教芸術と弥陀信仰』至文堂。
山折哲雄・正木晃 1990 『人間の美術 5 浄土の彼方へ』学習研究社。
『浄土仏教の思想』講談社
*浄土教の主要な経典、人物に関する概説書。
『美麗 院政期の絵画』奈良国立博物館 2007
『藤原道長 極めた栄華・願った浄土』京都国立博物館 2007.

浄土教の成立と主要経典の内容
入澤 崇 1999 「観無量壽経の背後にあるもの」『浄土教の総合的研究』(仏教大学総合研究所紀要 別冊)、pp. 111-133。
香川孝雄 1993 『浄土教の成立史的研究』山喜房仏書林。
*専門的であるが、この分野の研究状況を知るのに便利。
香川孝雄編 1999 『浄土教の総合的研究』(仏教大学総合研究所紀要 別冊)仏教大学。
香川孝雄 1999 「『観無量壽経』の成立問題史考」『浄土教の総合的研究』(仏教大学総合研究所紀要 別冊)、pp. 13-38。
*何が問題なのかが簡潔にまとめられている。
末木文美士・梶山雄一 1992 『浄土仏教の思想 第2巻 観無量寿経 般舟三昧経』講談社。
*観経についての末木氏の文献リストは充実。
中村 元・早島鏡正・紀野一義 1963 『浄土三部経』(岩波文庫)岩波書店。
*入手しやすい。解説や訳語にこだわりというか、クセがある。
藤田宏達 1970 『原始浄土思想の研究』岩波書店。
藤田宏達・桜部建 1994 『浄土仏教の思想 第1巻 無量寿経 阿弥陀経』講談社。
*大経は抄訳であるが、わかりやすい。
山口益他訳 1976 『大乗仏典 6 浄土三部経』中央公論社。
*訳文は読みやすい。解説も簡潔にまとまっている。

インドにおける浄土教美術の起源
杉本卓洲 1999 「マトゥラーにおける仏像崇拝の展開(その3)」『金沢大学文学部論集 行動科学・哲学編』19: 83-118。
*マトゥラー出土の阿弥陀立像についての詳細な考察。
宮治 昭 2000 「大乗仏教の美術:その源流を探る」『大法輪』H.12, 7月号、pp. 122-129。
*一般向け。ただし、阿弥陀像については次の論文で訂正。
宮治 昭 2002 「「舎衛城の神変」と大乗仏教美術の起源:研究史と展望」『美学美術史研究論集』20: 1-27。
*インドの阿弥陀像と大神変図についての最新の研究成果。これまでの研究の問題点も整理。

中央アジアにおける浄土教美術の展開
秋山光和 1967 「敦煌画阿弥陀浄土図」『美術研究』252: 32-37。
大西磨希子 2003 「敦煌莫高窟の西方浄土変に描かれた『観無量寿経』モティーフ」『南都佛教』83: 62-95。
勝木言一郎 1992 「敦煌莫高窟第二二〇窟阿弥陀浄土変相図考」『仏教芸術』202: 67-92。
河原由雄 1974 「西域・中国の浄土教絵画」『浄土教美術の展開』(仏教美術研究上野記念財団助成研究会報告書第一冊)仏教美術研究上野記念財団助成研究会。
宮治 昭 1995, 1995, 1996 「トゥルファン・トヨク石窟の禅観窟壁画について:浄土図・浄土観想図・不浄観想図(上)」『仏教芸術』221: 15-41、同(中)223: 15-36、同(下)226: 38-83。
*中央アジアに発見された最古の観経の壁画を詳細に紹介。
宮治 昭 1999 「瞑想・観想とガンダーラ・中央アジアの仏教美術:観経変の成立前史」『國文学』44(8): 100-105。
*上記論文の内容を簡潔にする。
宮治 昭 1999 『仏教美術のイコノロジー:インドから日本まで』吉川弘文館。
*トヨク石窟についてまとめた章を含む。
宮治 昭 2002 「観経変の成立をめぐって:トヨク小窟・小南海石窟・敦煌初唐窟」『日本仏教学会年報』67: 203-218。

日本における浄土教の歴史
奈良弘元 2002 『初期叡山浄土教の研究』春秋社。
濱島正士編 1988 『図説日本の仏教三 浄土教』新潮社。

高僧絵伝
大橋俊雄 2002 『法然上人絵伝』2巻 岩波文庫。
小松茂美編 1981 『続日本絵巻大成 一〜三 法然上人絵伝』中央公論社。
塚本善隆 1977 『新修 日本絵巻物全集 第14巻 法然上人絵伝』角川書店。
中井真孝 2005 『法然絵伝を読む』思文閣出版。
米倉迪夫 1983 「琳阿本「法然上人伝絵」について」『美術研究』324: 47-60.

阿弥陀と阿弥陀三尊像
小川光三他 1987 『魅惑の仏像 20 阿弥陀三尊』毎日新聞社。
田辺三郎助他監修 1990 『日本の仏像大百科 1 如来』ぎょうせい。
奈良国立博物館 1975 『阿弥陀仏彫像』東京美術。
松浦正昭 1983 「阿弥陀彫像の展開」『浄土曼荼羅:極楽浄土と来迎のロマン』奈良国立博物館、pp. 7-23。
光森正士 1993 『阿弥陀如来像』(日本の美術241)至文堂。

浄土変相図と当麻曼荼羅
仏教美術研究上野記念財団助成研究会 1974 『浄土教美術の展開』(仏教美術研究上野記念財団助成研究会報告書第一冊)仏教美術研究上野記念財団助成研究会。
『浄土曼荼羅:極楽浄土と来迎のロマン』奈良国立博物館、1983。
大串純夫 1983 『来迎芸術』法蔵館。
元興寺文化財研究所編 1987 『日本浄土曼荼羅の研究』中央公論美術出版。
河原由雄 1982 「当麻曼陀羅下縁部九品来迎図像の形成」『密教図像』1。
關 信子 1995 「メ迎講阿弥陀像モ考I  当麻寺の来迎会と弘法寺の迎講阿弥陀像」『仏教芸術』221: 100-132。
*以下、IVまで『仏教芸術』223, 224, 228に連載。
若園善聡・湯谷祐三・稲田廣演 2000 「当麻曼陀羅における図像と注釈書の比較研究」『西山学会年報』??: 64-85。
加藤善朗 2000 「浄土経典と絵画:中世日本人と当麻曼荼羅」『大法輪』H12.12, pp. 94-99。

聖衆来迎図
須藤弘敏 1994 『阿弥陀聖衆来迎図 夢見る力』(絵は語る3)平凡社。
中野玄三 1985 『来迎図の美術』同朋舎出版。
濱田 隆 1989 『日本の美術 273 来迎図』至文堂。
仙海義之 2005 「臨終行儀における設像:来迎図・来迎像の成立及び展開を考察するための一視点として」『國華』1318: 3-28.

山越阿弥陀と臨終行儀
加須屋誠 2003 『仏教説話画の構造と機能』中央公論美術出版(第7,8章)。
三宅守常 1999? 「中世の臨終行儀と明恵」『大倉山論集』44: 1-40。
山折哲雄 1989 「光明と白道:「来迎図」の解明」『図説日本の仏教3 浄土経』新潮社、pp. 165-182。

六道絵と二河白道図
加須屋誠 1999 「臨終行儀の美術:儀礼・身体・物語」『帝塚山学院大学藝術論究』26: 1-36。
加須屋誠 1999 「仏教説話画:二河白道図を読む」『國文学』44(8): 92-99。
加須屋誠編 2000 『地獄と極楽 イメージとしての他界』(週刊朝日百科『日本の国宝』別冊国宝と歴史の旅6)朝日新聞社。
加須屋誠 2003 『仏教説話画の構造と機能』中央公論美術出版(とくに第1,2章)。
小峯和明 1990 「地獄絵と平安期の文芸」『国文学解釈と鑑賞』H. 2, 8: 58-63。
五来 重 1991 『日本人の地獄と極楽』人文書院。
真保享(監修・文)・金子圭三(写真) 1984? 『地獄極楽の絵』毎日新聞社。
関山和夫 1990 「地獄絵の絵解き」『国文学解釈と鑑賞』H. 2, 8: 135-14。
鷹巣 純 1993 「めぐりわたる悪道:長岳寺本六道十王図の図像をめぐって」『仏教芸術』175。
鷹巣 純 1996 「六道十王図のコスモロジー」立川武蔵編『マンダラ宇宙論』法蔵館、pp. 271-303。
立山博物館 2001 『地獄遊覧』富山県[立山博物館]。
林 雅彦・渡 浩一 1990 「モ地獄・極楽モ研究文献目録抄」『国文学解釈と鑑賞』H.2, 8: 161-170。
中野玄三 1989 『六道絵の美術』淡光社。
野口圭也 2004 「聖衆来迎寺本『六道絵』中『阿修羅幅』について」『平安仏教学会』3: 63-82。
宮次男 1988 『日本の美術 no. 271 六道絵』至文堂。

平等院鳳凰堂と浄土教の建築
近藤 謙 2006 「平等院鳳凰堂内部空間の機能について 雲中供養菩薩像を中心に」『佛教大学アジア宗教文化情報研究所研究紀要』2: 169-202.
西川新次他 1987-1992 『平等院大観』(全三巻)岩波書店。
『国宝 平等院展』 2000。
渡辺里志 2007 「平等院鳳凰堂仏後壁前面画の主題:「釈迦八相」としての解釈の可能性」『美術史』162: 356-373.